2ヶ月ぶりの山。丹沢:塔ノ岳 – 単独

2ヶ月ぶりに山に行ってきました。

必然的に、エントリをあげるのも2ヶ月ぶりです。

1泊縦走をして、その翌週にナイトハイクに行って・・・と、7月は夏山を満喫していたのですが、8月からの暑さが耐え難く、夏が終わるまで山を控えておりました。

9月は雨や用事でいけぬまま、気づいたら10月。いい加減山欲が高まってきたので、10月2日に塔ノ岳大倉尾根ピストンへ行ってきたのです。

2ヶ月ぶりの登山開始

まだ冬ほど日中が短いわけでもないので、11時取り付きを目標に、少し遅めの出発をしてみました。

途中、バスを逃がし30分ほどロスしたものの、無事に10:40には大倉から登山開始です。

大倉の登山道の入り口あたりには、蜘蛛の巣がかかっていました。今までもかかっていた気もするけれども、蜘蛛がいるのを見たのははじめてです。

登山道入り口にかかっていた蜘蛛の巣。景気はどうですか。

この日の天気は、晴天で風もあり、ちょうどいい気候。

小休止をしていると汗が冷えて少し寒くなる以外は、極めてすごしやすい気温でした。

なんせ2ヶ月ぶりなので、時間はあまり気にせず、ゆっくり辛くないように歩きました。

少し遅めの出発だったこともあり、人は少なめ。夏ほど騒がしくもなく、秋ほど人も多くない。いい時期ですね。

花立山荘のカキ氷。レモン。

最終チェックポイントの花立では、夏に食べたかったけど我慢していたカキ氷を食べてみました。

これからの季節はおしるこになるのかな?

3時間ほどかけて山頂到着。山頂に着くとそれなりにたくさんの人が。

下から見たときからそうだったのですが、山頂は少しガスっていました。お昼を食べながら、ボーッといつもより長めの休憩。

せっかくの機会なので、ヘリが来るまで待ってみてホバリングの風をまともに受けてみました。10メートル以上離れているのに吹き飛ばされそうな風圧!楽しかった。
ちなみにヘリだと、ふもとから山頂まで往復7分だそうです・・・。僕は4時間以上かかるのに・・・。文明は凄いです。
ヘリ観察で予想以上に時間を使ってしまったので、そそくさと下山開始。花立まで降りると晴れて景色もいいです。

2時間以上山頂でウダウダしていたせいか、体力はすっかり回復していて、下山は快適でした。

ひょいひょい走りながら下山して、結局1時間半かからないでふもとへ。

忘れないように、いつもの松の下から撮影。

久しぶりの山、久しぶりの塔ノ岳で、ちょっと体力の衰えは実感したものの、新鮮な気持ちで楽しめました。ぜんぜん関係ないですが、はじめて山で蛇を見ました!多分アオダイショウ。

山はこれから秋。そして冬。

どんどん表情を変えていくでしょうね。楽しみです。僕の登山も来月で1周年を迎えます。また初心に戻って、高尾山にもいきたいな。

無事下山。タイム記録用に撮った写真だけど、モノクロにしてみるとそれっぽい。お疲れ様でした。

お疲れ様でした。

丹沢2010.10.02

【2日目】丹沢表尾根・一泊縦走 – 単独

7月18日。丹沢一泊縦走・二日目。

1日目はこちら> 【1日目】丹沢表尾根・一泊縦走 – 単独

昨晩、星をみるために起き出してからしばらくは眠りにつけなかったのですが、いつの間にか寝ていたようです。窓の外が明るくなってきたのと、まわりの宿泊客の方がガサゴソしだしたことで目が覚めました。

時刻は4時。ちょうど空が明るんでくる時間です。すぐに起きて、荷物を全てザックに詰め込み、日の出を見るために外へ。ちなみに、起き上がるとき天井が低いのを忘れていて、思いっきり頭をぶつけました。

日の出

外へ出ると、西には富士山、東には明るみはじめた空。夏なのに、まるで冬のように澄んだ空気です。

そして、この日、塔ノ岳から見た富士山は雲海に浮かぶ富士山でした。これだけ澄んだ空気に、山荘の方いわく、夏にこれだけ澄んだ景色ときれいな雲海はそうそう見られないとのこと。

しばらく見とれていると、日の出がはじまりました。

空が真っ赤に染まっていきます。富士山からご来光を見ているひとたちは、僕たち越しにこの日の出を見ているのでしょうか。

日が出ると、富士山も赤く染まります。雲海に、赤富士。本当にきれいです。

そんな景色を見ながら、朝ごはん。たまごスープと五目ごはん。

食べ終わるころには、すっかり日も出て、夜が、朝になりました。ずっと景色を見ていたい衝動に駆られましたが、暑くなるまえに出発します。

出発。蛭ヶ岳へ。

5時半。山荘の方に挨拶をして、いざ。今日は体調もそれなりによさそうなので、思い切って丹沢山を経由して蛭ヶ岳まで向かいます。

丹沢山へは何度か行っていますが、蛭ヶ岳に登るのはまだ今日で2回目。しかも前回、こちら側へは降りただけで登りは未経験なので、どうなることか・・・と思いながら、塔ノ岳から丹沢山への縦走路を歩きます。

塔ノ岳→丹沢山

この縦走路は、非常に眺めがよく、山脈や沢の景色がきれいで大好きです。この季節になると、青々として冬とはまた違った趣ですね。

富士山の前にひろがっていた雲海も、日が昇ってしばらくすると霧散していきました。

涼しいせいか、水のペースに気をつけているせいか、昨日よりは楽に歩けました。丹沢山までは1時間で到着。

丹沢山→鬼ヶ岩→蛭ヶ岳

丹沢山の山頂で少し休憩を挟み、すぐに蛭ヶ岳へ向かいます。

1時間半ほど歩くと、鬼ヶ岩へ到着。ここまでくれば蛭ヶ岳まであと少しです。

蛭ヶ岳到着

鬼ヶ岩から30分ほどで、蛭ヶ岳に到着。前回きたときは展望がありませんでしたが、今日は絶景!富士山もよく見えます。

山頂には同じく泊まりでいらっしゃった方が数グループほど。ここまで来るころにはちょっと体力にかげりが見えてきました。やはりまだ万全ではないようです。

念のため、蛭ヶ岳では30分近い大休止を挟みます。このまま主脈をたどり西丹沢自然教室まで移動するか、塔ノ岳に戻るか、少し悩みますが、体力の状況を考えるに歩きなれた道で下山したほうがいいと判断。再び来た道を取って返します。

ふたたび塔ノ岳を目指して

装備を軽くするためにあまり水を積まなかった・・・というのもあるのですが、とにかく水の消費量が早く、蛭ヶ岳を出てしばらくするころには水が尽きかけていました。

そこで、蛭に向かう途中、不動の峰のふもとに水場の看板があったことを思い出し、ちょっとメインの道を外れて、水場へ向かってみました。

道はかなりの悪路。あまり人が通っていないことが伺えます。苦労しながら3分~5分ほど下ってみると・・・

不動の峰の近くにある水場へ、水を補給しにいこうとしたら、地すべりが起きていてこれ以上進めなかった。

完全に、がけ崩れで登山道が落ちていました・・・。

恐らく慎重に下ればいけないこともないのですが、もう体力的にはかなり余裕がない状態ですし、登りは下りよりはるかに難しいと思うので、残念ながら水はあきらめて、下ってきた悪路を戻りました。15分のロスは痛いです。

気を取り直して、丹沢山へ、そして塔ノ岳へと向かいますが、体力は既に限界に近いです。一日前のようにバテがひどく、つられて足もどんどん痛くなります。普段休憩を挟まないで歩けるような道も、時には30分近い休憩を挟みながら、ゆっくりゆっくり歩いていきます。これが慣れない道だったら・・・と思うとゾッとします。

大倉尾根から下山

想像以上に辛い大仕事でした。・・・書いている今も、実はそれほど正確に思い出すことは出来ないのですが、もう弱音しか出てこないし、登りの人よりも苦しそうに歩いていたと思います。すいすい歩く人が恨めしくなるほどでした。

休んでいるときも「しばらく夏山は絶対こない!もう山登りもいやだ!」なんて思ってしまいつつ(翌週また同じ山に登るわけですが)、なんとか3時間かけて下山しました。時間だけ見ても、明らかに登りよりかかっていますが、無事下山できればなによりでしょう。

ということで、はじめての一泊縦走は、無事下山にて終了しました。真昼間でしたが青空には月が浮かんでいます。下山後には、ずっと飲みたかったコーラ。歩く苦しみから、暑さから、山特有の不自由感から開放された喜びが、いつもの何倍にもなっておそってきます。

夏場のスタミナ管理、水の補給ペース、一泊縦走のよしあし・・・などなど、色々勉強になった点や課題点はありましたが、以前の主脈縦走の経験が生きたため、体調が崩れてからも比較的冷静にこなすことは出来た気がします。

もう夏場の縦走は懲り懲りですが、いまが既にそうであるように、きっとこの苦しみも忘れ、また向かってしまうことでしょう。

なによりも、あの星空と、日の出の光景が忘れられなくて。

2日分の文章にお付き合い下さいありがとうございました。おつかれさまでした。

【1日目】丹沢表尾根・一泊縦走 – 単独

7月17日。朝早起きしたら快晴だったので、兼ねてよりやってみたかった「丹沢塔ノ岳に泊まる、一泊縦走」をしてきました。

色々な要因が重なり、かなり辛い縦走になりましたが、この縦走で得た景色と経験は、しばらくの間忘れられそうもないものになりました。

丹沢へ

土曜日の朝。7時頃に自宅を出て、快晴の空を車窓から眺めながら小田急線で秦野へ。途中、乗り間違えに気づいて知らない駅で下車して引き返し。乗り換えで降りた駅から見た空がきれいだったので一枚撮影。

電車に乗り間違えて、戻るために降りた駅。なんか夏っぽい!

登りはじめ

初日のスケジュールは、丹沢で人気の表尾根縦走コース。ただし、ヤビツ峠からではなく、それより手前の蓑毛から歩きます。11時頃に蓑毛に到着し、これから登る山を眺めると、山頂付近はガスっている様子。案の定、登りはじめてしばらくすると、ほぼ霧の中になってきました。

蓑毛→ヤビツの道は歩きなれた道ですが、なぜかこの日はかなり息が切れる。暑さのせいか、天候で気が滅入っているのか、荷物の重さか・・・。なんとか蓑毛からヤビツまで1時間で辿り着くものの、残りの体力と距離を照らし合わせると、このあとが若干不安。

体調が悪くなると気持ちもネガティブになるもので、「早く到着しないと山荘に迷惑が・・・」とか「もし尾根道で雷が鳴ったら・・・」とか考え、どんどん思考が暗い方向へ追い詰められていきます。それでも、ヤビツ縦走は3度目。今までも恵まれた天候ではなかったので、その経験だけを支えに、ひたすら歩きます。

とにかくバテるバテる。今まで小走りで軽快に歩けたルートも、息切れしながら、休みながら、痛い足をさすりながら歩きます。本当になんだったんでしょう。今でもわかりません。恐らく水分補給のペースが悪かったのが一番の原因だとは思うのですが・・・。

ひと時の晴れ間

そんな感じで、ネガティブな気持ちと体調と戦いながら2時間ほど歩き、ようやく中間地点である烏尾山の頂上に差し掛かってきました。頂上に続く木のトンネルをくぐった瞬間、出迎えられるかのように、そらが一気に晴れました。

そして、景色。相模湾。そして山と海に挟まれた町並み。空と雲。そして鳶がその景色のなかをゆっくり飛んでいく。という、今までモニタ越しでしか見たことがなかったような、色々なものが詰まった景色。

烏尾山に到着した途端、つかの間の快晴に!

休憩を兼ねて景色をしばらく眺め、再び歩き始めます。休んだせいか、天気が晴れたから気持ちが晴れたのか、しばらくは軽い気持ちと足取りで歩けたのですが、また30分ほど歩くと景色は霧のなか。気持ちも体力もつられて下降。

正念場

蓑毛から歩きはじめて4時間、難所の鎖場を越えたころになると、体力も、足の痛みも、もう限界。痛くてつらくて、息を整えるのにも時間がかかるように。一度腰を下ろすとしばらく立てません。

難所の鎖場。今回はバテてバランス感覚が怪しかったのでいつも以上に慎重に。

そのうち、「展望もないし、星も見れないだろう。もう帰ろう。」とか「ここの非難小屋で一晩越そう」とか「電波が入るうちに山荘キャンセルしなくちゃ」とか「エスケープルートを取るとしたらどれぐらいかな」とか「もう夏の登山はいいや・・・」とか・・・本格的な諦めモードが顔を覗かせます。

ここで思い出したのは、前回主脈縦走をしたときに編み出した「自分を罵倒する」という気合の入れ方。「主脈はあんだけ歩けたのに今日はこんなもんか?」「前回来たときは楽勝だったじゃねーか」「これぐらい歩けないなら山登ってるとか言うなバーカ」とか、自分を罵りながら、砂だらけの道に腰を下ろし、足をさすり、時計とにらみ合い、登りはじめて5時間半の16時30分に、なんとか塔ノ岳に辿り着きました。

塔ノ岳山頂・尊仏山荘到着。

残念ながら、塔ノ岳山頂も展望はなし。

でも、ここまで辿り着けた達成感と、はじめての山小屋泊が出来そうだから、景色は今度でいいか・・・と言い聞かせながら、塔ノ岳山頂の尊仏山荘にチェックイン。

もうバテバテで食欲がゼロだったのと、非常食を少し大目に持っていたので、今回の宿泊は素泊まりにしてもらいました。夕食のカレー食べたかった・・・。

一休みして落ち着いたら、水を補充するために、山頂から5分ほど下ったことにある水場に湧水を汲みに行ってきました。水を汲み終わって、景色を振り返ると・・・。いつのまにか雲が晴れて、日の入りがはじまっていました。

日の入りと夜の景色

景色を見ながら山頂に戻ると、ほかの宿泊客の方も、山荘の方も、みんな屋内から出てきて日の入りを眺めていました。

このときはじめて知りました。山で見る景色は、そこにいたる過程とか、今まで登ってきた思いとか、そういうバックボーンがあるから特別に見えるんだと。

この日、何度も引き返そうと思ったこととか、足が痛くて本当につらかったこととか、今まで歩けていた道に苦労した悔しさとか、今まで何度も塔ノ岳に登ってその度に色々なことを勉強したこととか、そういう今までのものをすべて考えながら、景色を眺めました。

ほんとうにすばらしかった。

日が沈んでからも1時間ぐらい景色を前に立ち尽くしている間に、外は真っ暗に。

星は期待していたほど見えませんでしたが、もうちょっと深い時間に空の雲が晴れることを期待しつつ、富士登山客のライトの行列と、パノラマの大夜景をしばらく眺め、8時半ごろに就寝。はじめての山荘泊は、思った以上の快適さと山頂の涼しさも相まって、意外とすんなり寝付けました。

深夜、念願の星空。

深夜。

ふと目が覚めたので、こっそりと山荘を抜け出して外へ。空を見上げると、期待通りの満天の星空でした。

デネブ、アルタイル、ベガ。夏の大三角形に、アルクトゥールス、アンタレス。カシオペアにアンドロメダにペガスス。その他知らない星や結びきれない無数に星に流れ星。ずっと僕が見てみたかった光景でした。

そもそも、登山をはじめたきっかけは、この星空を見るための天体観測の一環。いまや動機が逆になっていますが、去年からの念願がようやく達成されました。

「山に登って、その日一番感動したものは写真に残さない」という僕のポリシーにより、星空の写真はありません。でも、この日再び眠りにつくときに目を閉じると、瞼の裏にはしっかりと景色が焼きついていました。それは今も同じです。

そんなかけがえのない、今までの山行でもっとも感動した景色によって一日目を終え、二日目へと続きます。

檜洞丸~蛭ヶ岳~丹沢山~塔ノ岳日帰り縦走 – 単独

檜洞丸に登ってきたついでに、塔ノ岳まで歩いてきました。今までで一番充実し、同時に一番疲れた縦走でした。

2010年5月29日:大山 [山行記録] – ヤマレコ
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-66347.html

2010年6月6日:檜洞丸→蛭ヶ岳→丹沢山→塔ノ岳日帰り縦走 [山行記録] – ヤマレコ

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-67250.html

早朝4時半に目が覚めてなかなか寝付けなかったので、山に行くことを決意。

パッキングして5時半に家を出て、駅のホームで何処へ行くのか決めました。目的地はツツジが見ごろだという檜洞丸に決定。

8時30分ごろには西丹沢自然教室に到着。よく晴れていて緑が美しい風景に、最高の山行になると確信。

西丹沢自然教室を出発したところ。天気がよく景色が綺麗。

ツツジ新道を登ること2時間足らずで檜洞丸山頂に到着。道中も山頂も、ツツジが見頃ということで登山客はいっぱい。

山頂に近い鎖場では渋滞が発生していましたが、「若い特急の方はどんどん先どうぞ!」という周りの方のお気遣いにより、あまり待たずに通過出来ました。展望はあまりありませんが、緑とツツジがいっぱいで美しい山でした。

緑の川にかかる橋みたい!檜洞丸名物。ちょっと登ったところから一枚。陽があたって新緑が光ってます。

檜洞丸山頂で朝ごはんを食べながら、このあとのルートを思案。ほぼ朝イチのバスに乗れたこと、なかなかのコースタイムで登れたことを鑑みて、蛭ヶ岳から塔ノ岳までの縦走を検討。手持ちのマップでも、時間的にも距離的にもなんとかやれそうだったので、挑戦することに。

まずは神ノ川と臼ヶ岳を経由し、蛭ヶ岳を目指します。この縦走路は少し危険な道もあるものの、総じて静かで、緑や展望に恵まれ、丹沢の奥深さを感じられるようなルートでした。

中間地点の神ノ川乗越。ここまで来たら覚悟を決めるしかない。なんかこういう道好きです。延々と続く沢が美しい。丹沢のこういう景色がすきです。

2時間半ほどかけて蛭ヶ岳へ到着。蛭ヶ岳にアタック中から雲が迫ってきて、残念ながら山頂に着くころには雲の中。展望はあまり望めませんでしたが、念願の蛭ヶ岳初登頂というだけで大満足でした。

山頂は僕を含め7人ほど。皆さん泊まり縦走のようで重装備の方々ばかりでした。

このあたりで、持ってきた水500mlとスポーツ飲料1Lが尽きてきたため、山荘にて500mlずつ補給。丹沢は水の補給がしやすくて安心です。

30分ほどの大休止を挟み、鬼ヶ岩を越え丹沢山、そして塔ノ岳を目指します。若干疲れが見えてきて、少し息苦しさも感じてきたけれど、ここまで来たら戻るも進むも同じことなので、強気にGO。

蛭ヶ岳から丹沢山までは1時間程度。丹沢山から塔ノ岳は既に踏破したことがある道なので、さくさく歩けて50分程度。無事に最後のピークである塔ノ岳に到着しました。
蛭ヶ岳から先は、精神的にも肉体的にも疲れが如実に見えはじめ、ふっと気づくと20分ぐらい無意識で歩いていたりしました。疲れからカメラを構える回数もどんどん減り、時間と体力の配分を考えながら、ひたすら歩く歩く・・・。
見慣れた塔ノ岳に到着するとドッと安心感が出ると同時に、大倉尾根を下るという、最大にして最後の難所が。いつも難なく下る慣れた道ですが、既に度重なる登り下りで足の疲労が蓄積しているため、いつも以上に転倒に気をつけながら下りました。
それでも途中、花立のあたりで足がもつれ、顔から地面に転倒しかけ、肝を冷やしました。なんとか踏みとどまれてよかった・・・。
大倉の富士山が見える松の下から一枚。もうすぐ陽も落ちる。お疲れ様でした。

日暮れも近くなった18時ごろに、無事大倉に下山。登りが2時間ちょっとなのに、下りに1時間50分かかるって一体・・・。ここのコースタイムだけはいつまで経っても変化がないです。

総行程9時間半。登りの累積標高2000m以上。距離は20km以上にも及ぶ、山をはじめて7ヶ月、過去最大の大山行でした。

朝に感じた予感の通り、蛭ヶ岳制覇の目標も果たし日帰りで丹沢を堪能し、最高の山行であることは間違いありませんでしたが、今までで一番リスクもある縦走でもありました。

以下、行程中に感じた感想や、留意したことなどを書きとどめます。

■留意点

  • なるべく大休止を挟み、出来るだけ疲労を次の行程に持ち越さないこと。
  • 転倒・滑落に最も留意し、足の疲れに最大限気を配ること。下りは慎重に下ること。
  • 意識は出来るだけ明瞭に保つこと。そのために炭水化物や糖質の補給を欠かさないこと。
  • 熱中症・脱水症には気を配り、休憩ごとに各症状が現れていないか自己診断。予防もしておくこと。
  • ルートが不明瞭で、少しでも不安を感じたらすぐ引き返すこと。実際に1度誤ったルートを選択してしまったが、すぐに引き返して事なきを得た。
  • とにかく気持ちを切らしたら終わると思って歩いた。ネガティブな気持ちは振り切ること。

■感想・反省点

  • 自分の時速を把握しておくことはとても重要。単独行が多く、いつも時間を気にしながら歩いているため、今回も極めて正確に計画が出来た。
  • 今回のルートは、無雪状態・日が長い、という条件が揃ったからこそ取れたルート。冬季は僕の実力ではかなり難しい。
  • 疲労を感じはじめてから、どれぐらいの距離・高さを、どの程度のペースで歩けるのかがよくわかった。ペースを維持すればいくらでも歩けるというのもわかったけれど、溜まった疲れの分だけ下りのリスクも増すことを実感した。
  • 途中、写真を撮るという行為をはさむことは意識を断たないためにも重要。ふと気づくと暫く適当に歩いていたことに気付き、道迷いとか転倒とかしていたら・・・と思いヒヤッとした。
  • どれだけ意識していても、疲れると意識が配れなくなってくる。今回も丹沢山から先は、鹿の角が落ちているかどうかなんて意識出来ないレベルにまで疲れが達していた。
  • 今回は、一週間トレーニングをせずに筋肉痛が全く無かったベストコンディションだったこと。テンションが高く気持ちが切れなかったこと。ピークごとに山荘があり、補給や宿泊が容易であること。という要素が成功に繋がった。他の状況・山では同じように行かないことを肝に銘じるべき。
  • いつも使わないので飴を持って行かなかったけれど、これぐらいの行程になると欲しくなる。あったほうがいい。
  • 夏季ということで、防寒やアイゼンなどの用意も必要ないし、調理具も持って行かず、レインウェアも最低限に留めたため荷物がかなり軽かったのも、これだけ歩けた要因だったと思う。
  • 10時間歩く場合、水は4リットルぐらいは欲しい。食事は3休止分+非常食があれば十分。
  • 気をつけていたけれど、転倒しかけたことは本当に危なかった。こればかりは、これからもより一層留意すべき。

以上備忘録として。

次は同じルートを秋に歩きたいですね。

ちなみに来週は大山、再来週は大山へ行ってきます。ぼちぼち7月を迎え、富士の山開きも射程距離に入ってくるので、準備をはじめなければ!

おつかれさまでした。

丹沢:檜洞丸→塔ノ岳縦走2010.06.06

丹沢表尾根縦走 – 2名

3月は山をすっかりお休みしていたため、リハビリがてら丹沢表尾根を縦走。

ヤビツ峠から塔を目指す一般的な縦走ルート。冬に単独で行っていたので、個人的には二度目の縦走。

気温も高くすっかり初夏の気分満載でした。

2010年5月5日:塔ノ岳 [山行記録] – ヤマレコ

http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-64941.html